団信未加入のフラット35債務者が死亡したら一括返済を求められるのか?

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このページでは、フラット35で住宅ローンを借りていながら団信(団体信用生命保険)に加入していない債務者が死亡したとき、債務を引き継いだ人(妻などの法定相続人)が一括で返済を求められるのか、分割返済させてもらえるのかをご紹介しています。

結論から言えば、「フラット35で住宅ローンを借りながら団信に入っていない債務者が死んだときには、法定相続人は、それまでの返済方法を引き継ぐことになる。つまり、一括返済ではなく、毎月の分割返済でOK。」ということです。

確かに考えてみれば、それまで毎月の分割返済でよかったのに、債務者が死んだ瞬間に一括で返せ!というのも理不尽な話ですよね。

国の独立行政法人がそんな理不尽な要求をしていたら、とっくの昔にメディアで取り上げられて問題になっているでしょう。

目次

疑問を持ったきっかけ

そもそも、なぜ管理人がこうした疑問もったのか。それは、ある事件がきっかけでした。

それは、フラット35の団信(機構団信)を提供している住宅金融支援機構が契約者の個人情報を漏えいさせるという事件です。

一部報道もされたので一時期話題になりましたが、2017年3月に住宅金融支援機構が管理している団信加入者のクレジットカード情報、セキュリティーコード、個人名、住所、電話番号などが第三者に漏えいしたのでした。

詳しくはこちらのページで紹介されていますので、詳細にご興味がある方はご覧ください(住宅金融支援機構に個人情報を漏えいされた被害者のブログ)。

団信に加入していて個人情報を流出させるという被害にあった管理人は、この事件に対する住宅金融支援機構の情報管理の甘さ、団信加入者への対応の不十分さ、再発防止策の不十分さから住宅金融支援機構に不信感をもちました。

クレジットカードの再発行手続き、クレジットカード払いの公共料金の再申し込みなどで大変な手間もかかりました。もうトホホです・・・。2度とこんな思いはしたくありません。

幸い、フラット35の機構団信は加入がマストではありません。いつでも解約することができます。

管理人は団信から脱退し、民間の生命保険(収入保障保険)に乗り換えることを決意したのでした。

ただし、収入保障保険は、被保険者の死亡後に、月々一定額が残された家族に振り込まれる仕組みです(一括支払いもできますが、受取総額が減ってしまいます)。

もし、住宅ローン残高分を相続人が一括で支払わなければならないのであれば、それに見合った生命保険の金額を設定する必要があります。

ということで、団信を脱退した管理人がもし将来死亡した場合に、フラット35のローン残高を相続人が一括で支払う必要があるのか、ないのか、知る必要が出てきたのです。

住宅金融支援機構のホームページを確認してみます

まずは、一番確実な情報が得られるであろう情報ソース、フラット35を提供している独立行政法人、住宅金融支援機構(JHFA:Japan Housing Finalce Agency)のホームページを見てみましょう。

ありました!

「ご返済中の方」向けのページの中に「ご本人が亡くなられたとき」という項目があります。

フラット35契約中の廿楽ローン債務者が死亡したときの手続きについて住宅金融支援気候のページに説明があります(住宅金融支援機構のwebページよりお借りました)

フラット35契約中の廿楽ローン債務者が死亡したときの手続きについて住宅金融支援気候のページに説明があります(住宅金融支援機構のwebページよりお借りました)

住宅金融支援機構のホームページから該当部分だけ抜粋させて頂くと、このような記載がありました。

団体信用生命保険(共済)に加入している場合

保険金(共済)により機構(旧公庫)の債務が、全額返済されます。

お手続

速やかに連絡してください。
次の書類を提出してください。

  • 医師の死亡診断書(受託金融機関にある所定の用紙をご利用ください。)
  • 住民票(死亡の事実記載のあるもの)

 

団体信用生命保険(共済)に加入していない場合

融資住宅を相続された方が債務を引き継ぎ、ご返済をしていただきます。
相続される方が複数いる場合は、法定相続人のうち、返済能力のある方がお一人で機構(旧公庫)の債務を引き継ぐようお願いしています。

お手続

(申請用紙は、ご返済中の金融機関及び、機構支店にて用意しています。)

手続きの流れ

「相続届」(ご返済中の金融機関及び機構支店にて用意しております。)をご返済中の金融機関に提出してください。

添付書類

  • 法定相続人全員が分かる戸(除)籍謄本または抄本等の写し
  • ご申請者が機構債務を相続したことを証明できる書類
    (例:遺産分割協議書の写し 家庭裁判所の調停書の写しなど。なお、遺産分割協議書の写しには、相続人全員の印鑑証明書を添付してください。)
  • その他金融機関よりご依頼させていただく書類
    提出書類により、ご申請者の機構債務の相続につき確認します。なお、相続人の方は、相続登記後の建物・土地の登記事項証明書を金融機関に提出してください。

・・・う~ん、困りました。

ここに書かれているのは、相続人が返済してください、ということだけです。一括で返済する必要があるのか、元の債務者と同じく月額返済でよいのか、ということはわかりません。

住宅金融支援機構に電話で聞いてみました

住宅金融支援機構のホームページでは一括返済を求められるのか、分割払いでよいのか確認できなかったので、住宅金融支援機構に直接電話で問い合わせることにしました。

問い合わせ先はここです。

ご返済中のお客さま専用ダイヤル
0120-0860-16
(通話無料)

さすが国の行政法人です。携帯からでも通話料無料で土日も問い合わせに応じてくれます。

実際に電話をかけると自動応対の後、オペレータの方が丁寧に対応してくれます。

オペレータT氏「お待たせしました。どのようなお問合せでしょうか?」

管理人「ええと、団信に加入していない債務者が死亡した場合、相続人は住宅ローン残高を一括で返済しないとだめなのでしょうか?それとも、毎月の分割返済でよいのでしょうか?」

オペレータT氏「はい、債務者の方がお亡くなりになった場合には、元の契約を引き継ぐことになります。ですので、債務者の方と同じく毎月支払いでご返済頂くことになります。」

管理人「分かりました。元の返済金額、金利、返済期間のままということですね。」

オペレータT氏「さようでございます。」

管理人「よく分かりました。ありがとうございました!」

結論:債務者が死亡したら元の契約・返済形態を引き継ぐ

・・・ということで、住宅金融支援機構に直接電話して、管理人の疑問に対する答えが判明しました。

結論としては、「団信に入っていないフラット35の債務者が死亡した場合、相続人は一括返済を求められることはなく、それまでと同じく月々の返済を続ければよい。」ということです。

ちなみに、管理人が問い合わせたのは、2018年5月です。この内容が変わる可能性は限りなく0に近いと思いますが、気になる方はご自身でお問合せすることをお勧めします。

これで、心おきなく団信を解約して、もしものときの備えは収入保障保険でカバーする方向で進めることができるようになりました。

追加調査:ARUHI住宅ローンにも電話で聞いてみました

機構団信が信頼ならない、というのもありますが、念には念を、ということでフラット35の販売窓口となっている金融機関にも電話で聞いてみました。

電話した先は、国内最大の住宅ローン専門の金融期間であるARUHI住宅ローン(アルヒ株式会社)です。

電話したのはARUHIのご相談ダイヤル(借り入れ用)です。電話番号は0120-353-795です。

平日10~19時に応対してもらえます。金融機関としては比較的遅い時間まで対応してくれるのでありがたいです。

自動応答もなく、担当の方が直接電話に出てくださいました。

管理人「フラット35で住宅ローンを借りて団信に契約していない場合、自分が死んだら妻は一括返済をしないといけないのでしょうか?」

担当S氏「ええと、奥様は連帯債務者でしょうか?」

管理人「いえ、連帯債務者ではないです。」

担当S氏「それでは、少々お待ちくださいませ。」

(待つこと1分ほど・・・)

担当S氏「お客様、お待たせしました。」

担当S氏「基本的には、法定相続人の方に引き続きお支払い頂けるということでしたら、毎月のお支払いを継続頂けます。ですので、一括返済をしなければならない、といったことはございません。」

担当S氏「ただし、相続人がいない場合、もしくは相続人の方が債務の引き受けを承諾されなかった場合には、家を売却して一括返済して頂くことになります。」

管理人「よくわかりました。サンキューっす。」

ということで、住宅ローン最大手のARUHIさんからも団信に入っていないフラット債務者が死んだ場合には相続人が継続して分割払いするのでOKとの回答を頂けました。

一括返済しなければならない場合についての情報も得られたので満足です。ARUHIさん、ありがとうございました。

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